由布がすっかり忘れていた、去年の今日に予約した分のスズランの花束は、お互いからお互いの家に届くようにしたものだった。

 だから当然由布に来たのはゆーまが贈ってくれた花。それを持ったまま隣家へ行くと、同じようにスズランを受け取ったおばさんと目が合った。

 泣き笑いに似た表情で、二人は微笑みあった。


TO:ゆーま スズラン届いたよ。ありがとう。
TO:ゆー  こっちにも届いたみたいだね。見えた。……ありがとう、ゆー。


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前提:家族公認のゆーに見捨てられたら僕は死ぬかもしれない。色んな意味で。

【了】