目の前にある手を“キュウ”……と握る隼人。


それと同時に、心臓もキュウっとなる。



あ〜……可愛いい////



「雛。怖い」


私の手を握る力が強くなる。

それだけで、隼人が本当にお化け屋敷が苦手なんだって事がひしひしと伝わってきた。


「雛、こわ「隼人っ!!走るよー!!」



隼人がもう1度、怖い……と言う前に、私は走り出した。

隼人は、目を瞑っていて恐々と走るからスピードはゆっくりめ。


走っている間に見える景色は、手術台やら殺害現場やら………。



気絶するのが分かる程の物。

お化け屋敷が得意な私ですら、怖くて怖くて……。


そんなのを見ないようにと、前だけを向いて走り続けた。


そんな私に手を引かれている隼人はというと…………「まだ…まだっ?」なんてしきりに聞いてくる始末。



………隼人、なんだかキャラ変わってるし。


でも、奥に行くにつれてだんだん怖くなっていく………。


やっぱり、隼人はこんなんだし…、お化け屋敷に一人で行っているようなもんだよ。


後ろから足音が聞こえるたびに、『キャー』


前の人の悲鳴が聞こえるたびに、『キャー』



もうどうにでもなれっ!!って勢いで叫び続けた。