「ば…っ!!」
「へへ…隼人が悪いんだからね」
「あ――…、はいはい」
隼人の背中から手を離すと見えてきたのは、困ったような笑っているような……そんな顔。
だけど、今の私の頭の中は何にも考えられないくらい、ルンルンな状態で、顔がニヤニヤ……。
「雛……、顔が緩んでる」
「いいの、ふふふ~ん」
恥ずかしげもなくスキップを始めて、隼人より先を行こうとする私の手を暖かいものが包んだ。
「ほら、迷子になってもしらないぞ」
「う、うん………」
手を繋ぐのなんて初めてのことじゃないはずのなのに、顔がみるみる真っ赤になっていくのが分かった。
……やっぱり今日の隼人、なんか違う。



