そんな私の心を察したのか、アスちゃんはこっちを見て小さく頷くと、火蓋を切った。
「お母さん、話しあるんだ。真菜と雛もここにいて」
アスちゃんの喉が動いた。
ゴクリ…と唾を飲む音が聞こえてきそうな程の静けさ。
最初、訳がわから無いという顔をしていたお母さんも、ピリピリした空気に何かを察したようで、真剣な顔で黙り込んだ。
真菜ちゃんが気を利かせて入れてくれたコーヒーの湯気を見つめる。
それも最初の頃の温かさを失って、消えかかっていた。
だけど、今はどうしても喉に通らないんだ。
呆然としたお母さんの横で、何も考えられずにただ一点を見つめていた。



