「もしもし雛…?」
「うん……、ごめんね」
「えっ…どうかした?俺…、なんかあった?」
「ううん…、なんでもないんだけど」
電話から聞こえてくる声に、荒波を立てていた心が穏やかになるのを感じた。
やっぱり隼人は凄いや。
「ほんと、なんかあった?」
あまりに心配そうな声に、思わずふき出してしまいそうになる。
なんなの……隼人。
「へへっ…、隼人こそ何いってんのー?私は、元気……」
一旦元気になったと思っても、心はすぐに沈んでしまう。
やだ…っ、やだな。
目の前がゆらゆらと歪んできて、涙が出そうな事を知らされた。
隼人に心配して欲しいのか、心配して欲しくないのかもわかんないや。



