「お父さんが……生きてたの」
「え………っ」
アスちゃんの口から出た思いもよらぬ一言に、その場の空気が変わった。
目を大きく見開いたまま、動くことが出来ない。
お父さんが…生きてた?
だって……、確かにお父さんは死んだはずで。
お母さんは、私達が小さい頃からそう言い聞かせていた。
だから、お父さんが生きてるわけなんかない。
きっと、アスちゃんは混乱していて訳が分からなくなっちゃってるんだ。
「アスちゃん、何言ってるの?お父さんはとっくの昔に死んでしまった筈でしょ?お母さんだって、そう言ってたじゃん」



