「じゃあねっ」


毎度のことながら、ここからは1人で帰っている。


だって、最近は日が沈むのが早いから、いつも帰える頃には真っ暗。



今日は運よく、明るいけどね。



1人で帰る道は寂しい。


だから、いつもよりも急ぎ足で家へと向かっていく…だけど今日は。





「ひな待って!」


隼人の声が耳に届いた瞬間、左手に暖かい感触。



「えっ…隼人?」


「今日は送ってく」



ぶっきらぼうに呟いた隼人の顔は、夕日のせいなのか少し赤くなっているように感じた。