道端に転がっている小石を蹴りながら歩く帰り道。
隼人との間には、会話なんてものは成立していなかった。
カラスの鳴き声だけが、妙に耳に残る。
そんな時、この沈黙を破ったのは隼人だった。
「あのさ、ひな」
「なーに?」
「明日さ……、土曜日じゃん?で…、どっか行かない?」
「えっ…?明日?」
「そう、明日」
「行くっ…行くいく!!絶対行きます!」
さっきまでの沈んでいた気持ちは嘘のよう。
隼人とのデートは、あの遊園地以来で……………。
隼人とも発展が無いままだから、これは…チャンスだよね?
「どこ行くのっ?」
「んー…、映画館とかどう?」
「あっ、私…観たい映画があるのっ」
「じゃあ決まりだな」
そうこうしているうちに、目の前には隼人のマンションが佇んでいた。



