「うわっ…麻耶ちゃんのバッグ、ほんと重いね」
私の前には、にっこりと笑う……
「隼人?」
「ん………?」
隼人の姿があった……。
えっ……ちょっとまってよ?なんで……
「な、なんでここにいるの?」
そういって呆然としている私をよそに
「まっ、雛のバッグも重いけどな」
なんて、なんでもなかったようにして私の腕からもう一方のバッグを取り上げた。
「え…ちょっと待って!隼人さ…もしかして、その……待ってて、くれた…とか?」
混乱した頭の中を整理するようにして、隼人の問いかける。
この時間までいたって事は、それしかないよね?
でも……、思い違いだったら。
とんだ自惚れ屋になっちゃうし……。
そんな私の気持ちなんて知らない隼人は、澄ました顔で…
「そうだけど……」
なんて……、嬉しい事を言ってくれた。



