隼人が、麻耶だけにメアドを教えたものだから、メアドを知りたい女子が、揃いも揃って麻耶に聞いてきたんだ。
麻耶は、断り続けてるけどその勢いは留まる事を知らない。
「ははっ…、麻耶も大変だね」
「まぁね」
ダルイ体に鞭を打って体を起こすと、教室の中は疎らに人がいるだけ。
隣の隼人も、机から本を出して真剣に読みふけっている。
「隼人ぉ…職員室寄らなきゃいけないから、先に帰ってていいよ」
「んー…」
曖昧な返事をした隼人。
ちゃんと聞いているのかわからないけど……。
「いこー」
重い足を引きずりながらも、職員室へと足を進めた。



