「きりーつ、礼っ」
『さようなぁ』
「はぁぁぁぁ…」
気の抜けたあいさつが終わったやいなや、机に顔を埋めた。
あの後、先生の私を見る視線は痛いし、隼人は真面目に授業してて話しかけられないし………。
麻耶は麻耶で、紙くずをいっぱい投げてくるもんだから、また先生に見つかって。
結局二人とも放課後、職員室行きが決まってしまった。
隼人に集まる女子の視線をいちいち気にしていたら、あっという間に一日が終わってしまった。
「かっこいい人が転入してきたっ、しかもその人は超エリート」なんて噂がたったせいで
この教室には、他の学年の人まで来る始末。
まぁ、顔もよし、頭脳もよし……なんてきたら好きにならずにはいられないよね。
「ひな…、職員室いこ?」
頭上から声がしたかと思い、見上げると見るからに疲れた様子の麻耶が立っていた。
それもそのはず………。
「ねぇねぇ麻耶ちゃん!隼人くんのメアド教えてよぉ」



