「……ってか、剛は?」
しばらくボーっとしていた麻耶は、やっと目を覚ました様子。
「え?つよ君なら、私を送ってくれた後すぐ帰ったけど……。なんで?」
「いや…。別にたいしたことはないんでけどさっ」
「ふ~ん……」
「っで……どうなのよっ、ひなぁ」
突然、目をキラキラさせて身を乗り出してきた麻耶。
「え……何が?」
何を聞きたいのかわかってるんだけど、自分から言う気満々とか思われたくないし……。
まぁ、実際は満々なんだけど。
それに、やっぱり恥ずかしいじゃん?だから、わかっているけどわからないふり。
「この~、わかってるくせにぃ!ラブラブなんでしょ~?」
ニヤニヤ笑いながら人差し指で私のほっぺをツンツンする。
な……、そんな事言われたから、隼人との事を思い出して思わず顔が綻んだ。
「ほらっ!ニヤニヤしてるじゃん。全部白状いたせぇぇ!」
いつかもあったと思う、この会話。
麻耶には逆らえないんだよな~…。
そう思いながらも、さっき隼人とあったことを細かく説明していく。
麻耶は相槌を打ったり、ニヤけたり……最後には「あっついね~」なんて呆れた顔で言ったりしながら私の話を聞いてくれた。
離してる間は、隼人との事が頭の中いっぱいに広がって幸せな気分。
ずっと誰かに話したくて、ウズウズしていたからやっと話せてスッキリした。



