麻耶のお母さんは、若くて綺麗で……ほんと、マダムって感じ。
掃除なんかも、きちんと行き届いていて、ホコリ一つない。
ピカピカの床に、綺麗に並べられたアンティークの小物たち。
大きな花瓶には、色とりどりのお花たち。
ブーツを脱ぐのにも、億劫になってしまいそう………。
だけど、脱がなきゃね。
そう思って、ブーツをそろりそろりと脱いで端っこに寄せた。
そして、綺麗に並べられている可愛いピンクのスリッパを履いて、何度も上った麻耶の部屋へと続く螺旋階段を上って行った。
階段を上がってすぐある部屋が麻耶の部屋。
私は、麻耶の部屋の扉をノックもせずに開け放った。
「く―――――…」
そこには、ベットに倒れ込むにして縛睡している麻耶。
口の端からは、きらりと光るものが……!
女の子なのに…!!
私は側にあったティッシュを手に取り、麻耶の口の周りをふきふきしてあげた。
まったく……、世話のかかる子だわ。



