寒さで感覚がなくなった手。
その手を不器用ながらも動かして、メールボックスを開いた。
そこには…………
「玄関のポストの中に鍵あるよん」
アホ丸出しの麻耶からのメール。
こんなに心配した自分が馬鹿だ………。
呆れてものが言えない。とにかく麻耶に何もなかった事で安心して、深い安堵のため息を落とした。
そういえば、いうかもこんな事があった気がする。
その時は、麻耶がお風呂に入ってたんだっけ?
まったく……。友達が遊びに行くっていってんのに、こんなに無防備でいいのか?
まぁ、ここが麻耶らしいとこなんだけどね。
麻耶のメールの通り、可愛くイルミネーションがされているポストに手を伸ばす。
手に触ったのは、寒さのせいで冷たくなった麻耶の家の鍵。
その鍵で、麻耶の家の玄関の扉を開けた。
………や、やっと入れた~。
ここで今までの疲れがドッと出たのは言うまでもない…。



