あらかじめ用意しておいたお泊り用の大きなバックを持って、階段を駆け降りる。
途中、「お泊りデートなんだ~。ラブラブじゃーん」なんてアスちゃんの冷やかしの声が聞こえたけど、そんなの無視無視。
つよ君を待たせちゃ怖いから、急いで家を飛び出した。
階段を駆け降りたせいで、息が上がって苦しい。
肩で呼吸しながらも、家の前にドンと停めてある車を見た。
黒い大きな車。
その窓から見えるのは、茶髪で長い前髪が印象的なあの人。
そう………つよ君。
車内には、白い煙らしきものが渦巻いていた。
つよくんは、どうやらタバコを吸っているみたい。
今年、高校を卒業したばかりのつよ君。
まだ20歳になってないのに、堂々とタバコを吸うなんて………。
ちょっと……。



