優しい春風のように私を抱き寄せた隼人。



その胸の中は、とても暖かくて安心できる場所。



きっと、ここが私の居場所なんだね。



そんな隼人の胸に耳を当てた。




そこからは、私と同じくらいドキドキいっている、隼人の心臓の音が聞こえた。



隼人も同じだって事に、また安心感を覚えた。




だから、さっきから止めどなく流れていた涙は、もうすっかり止まっていた。



「隼人……ドキドキ言ってる。」


「うん………すっげー嬉しい…。」



泣いたせいで少し鼻声になっている声。



隼人も鼻声な気がする……。