自然と隼人の名前が出てきた。
そう、見間違えるわけがない。
あの風になびくサラサラした、キャラメル色の髪の毛は、隼人のモノ。
「隼人……」
私は、確かめるようにもう一度隼人の名前を呼んだ。
すると、目の前にいた人影がクルリとこちらに向いた。
「ひな……?」
逆光で見る事のできない隼人の表情。
だけど、その目が私にむいているのは確かで、その声色から驚いている事が伺える。
「雛なの?」
確かめるように聞く隼人。
うん、そうだよ。……そういいたいのに、何故だか声が出なくて、
コクンと頷いた。
メニュー