先輩は引き止めなかった。


これで私と先輩はただの先輩と後輩。




広い学校の中……。


私たちは、もう会うことはないだろう。



会おうと思えば会えるけど、私にはそんな気はないから……。



大好きだったけど……。








“さようなら”



私の小さく呟いた声は、少し肌寒い風と共にはかなく消えていった。