静かにそう呟いた。 本当に大好きだった。 初めて付き合った相手で、右も左もわからなくて、毎日ドキドキしてた。 先輩との事を麻耶に相談したとき、先輩とは別れた方がいい… そういわれたけど、大好きだったから別れられなかった。 何もかもが初めてだった先輩は、私の中に色濃く残っている。 きっと、このままずっと………。 「先輩……私、帰ります。………さようなら」 俯いたままの先輩を残して、私は帰ろうと後ろを向いた。 「ひなっ!!」