「ん………っ…。はや、と……」 無意識に奈美にキスしていた。 深く、深く。 俺の心の傷ほど深く。 それ以上深く。 ――――ギュウ 不意に腕に違和感を感じた。 どうやら奈美が俺の袖を強く引っ張ったみたいだ。 これは、苦しいって合図。 いつもなら止めてたけど、今日は止めない。 苦しんでればいいんだ。