「バカじゃん………」 流れ出た涙を、制服の袖で乱暴に拭きながら 有野さんはポツリと呟いた。 バカって、俺にいってんのか? 「何がだよ」 さすがに今日初めて話したようなヤツに、バカ呼ばわりされるのはムカつく。 ムカついてるせいで、昔のように冷たく言い放ってしまった。 俺の怒った低い声を聞いた有野は、ビクッっと肩を揺らした。 あ~。 ヤバイじゃん。 泣いちゃうかも………。