涙はとまらない。
振り返れば想っている人がいる。
それでも顔を見れなくて
下を向いていた
手が誰かの手と重なった
引っ張られて
私達は公園に来た。
「…元気だった?」
と声をかけられたが私は
うなずくことしかできなかった
「そっか」
「イヤリングまだ持ってたんだね」
「…今日…で最後にしようと思って…」
「奏美、イヤリングの花の裏はみた?」
「……裏…?」
「そう。見て」
私は一瞬すべての音が聞こえなくなったんだ。
その言葉を文字を見た瞬間に。
聞こえるのは
昔の私達のむじゃきな声
「くさいかな。それでも俺は今もー…」

