『聞いた話なんだけど、



 その子と同じクラスだった、



 男の子。変死体で見つかったんだって。』



 その話を聞いて、私は身震いした。



 次は私だって・・・。



 『どうしたの?顔色悪いよ?』



 友人が声をかけるのも聞こえないぐらい。



 『・・・・・こ・・・され・・・。』



 『・・・・え?』



 私は、何も聞こえていなかった。



 『殺される!!!!!!』



 いつの間にかそう叫んで、走り出していた。



 ―嫌だ



       嫌だ



 嫌だ



            嫌だ



    まだ死にたくない



  イヤダ          イヤダ



       イヤダ―



 ただただ、走り続けていた。


 その時、



 「ねぇ。」



 誰かに呼び止められた。



 そして、振り返った私は、再度後悔する。



 『遥・・・・香・・・ちゃん?』



 何にも変わらない。



 死んだはずの彼女が、目の前に居た。



 「紗枝ちゃん。久しぶり。」



 彼女は、そう言うと、優しく微笑んだ。



 『ど・・・・・して・・・?』



 途切れ途切れの言葉。



 それに反応するかのように、



 彼女のかたが揺れた。



 「どうして?フフッ笑わせないで。



  私はね、あんたたちに仕返しに来たの。



  あの時ね、



 どれだけあんたたちの支えが必要だったか。


 
 知らないよね?



 だって、友達より、自分の方が大事だものね?」



 そう言うと、彼女はニヤリと笑った。