好きって言ってんねん

「あ…」
「なんで逃げとるん?」

なんで私なんか追ってくるの?乙川さんといれば…いいじゃん

「おい、聞いてるんやけど」
「…」

…なにも言いたくないし、聞きたくない

…っ!?気づいたら私の腕を彼の大きくて暖かい手が包んでいた

「い、や…!」
「…なんか勘違いしとるやろ?」

勘違い…?

「あのな…俺は図書」
「何が勘違い!?っていうか、私のことなんてほっといて!乙川さんのとこに戻ってあげれば…」

桜木くんの言葉を遮って私は彼に悲しみから生まれた怒りをぶつけた

すると彼の唇が私の唇を強引に塞いだ

「…!?!?」
「それが勘違いやねん…俺は乙川のことなんか好きやないし、図書室ではその…おまえのこと傷つけたら許さへんって伝えただけや!」

彼は照れくさそうに微笑んだ

でも私は頭が今起きてることを理解できずに真っ白のままだ

え?え?私今…桜木くんになにされたの?

「あーもう!鈍すぎるねん…せやから…好きって言っとんねん!!!」

好き?好きってあの好き?

自然と涙が流れる

「…!?そんなに嫌やった?」
「…う、ううん、聞いて?」

私も、言わなきゃ…

「私も大好きっ…!」

彼は優しそうに微笑み私の唇にもう1度自分の唇を重ねた

とても優しく、甘い忘れられない味だった…