好きって言ってんねん

「ん…ん?」

私は保健室のベッドの上で目が覚めた

左手には1枚の紙が握らされていた

そこには、見慣れた字…とても綺麗で丁寧な字でこう書かれていた
【図書室におるから。すぐ戻るから待っとって?】

自然と笑みがこぼれる

彼の顔が凄く見たくなった

「…っ」

そうだ、階段から落ちたんだ…足にはとても丁寧に包帯が巻かれていた…

桜木くんだ…

図書室は隣だ…行けないことはない

そう思い保健室を出て、何メートルか足を気にしながら歩きそーっと図書室の扉を開ける

とても綺麗な夕日の中、乙川さんと…彼の唇が重なっていた

心臓が鋭い刃物で刺されたみたいに痛くて、鉛のように重くて…なにか見えないところで崩れ去るような音が聞こえた

見ていられなくなり足の痛みなんて忘れて駆け出した

駆け出したときに側にあった折り畳み式の梯子を倒してしまった

足に激痛が走った

でも、今はそれより…心のほうが痛かった…