「お願、い?」

心のなかはいろんな気持ちと家族の顔や友達の顔が渦巻いて大変なことになっていた

気を緩めたら泣き崩れそうなくらい

「毎日、俺と一緒に帰るっていう約束なんやけど…どう?」

なんで?

そんなことでいいの?

この人は何がしたいの?

こんなことを考えても当たり前のように答えが出るわけでもなく…

でも私には選択肢は1つしかなくて…

「う、ん…わかった…」
「そか…せや、立って?」

桜木くんは私の目の前に大きくてゴツゴツした手を出した

「いい、自分で…た、てるし」
「そ…」

その時彼が見せた寂しそうな顔を私はまだ知らなかった