「おーい、席つけ」

高2になった5月のある日、そう言って私達の担任の先生が入ってきた

「HR(ホームルーム)始める前にお前たちに転校生を紹介するぞー、入ってこい」

ガラガラ…

転校生の男子が入ってくるとクラス中の女子がソワソワしだした

「ねぇ、超カッコよくない?」
「それな!マジヤバい…」
「モデルか何かかなぁ~」

黒髪で凄く顔が整っていて、細身だけどしっかりした体つきの誰がどう見ても『カッコいい』と思うような高身長の男子が教壇の前に立った

「桜木綾斗、大阪からこっちきよった、分からんことぎょうさんあるねんけど仲良くしてや~」

クラスの女子を見ながらそんなに騒いで何が面白いんだろ…
と、そんなことをボーッと考えながら私、西島結衣は一番後ろの一番窓側の席で桜木くんを見ていた

「じゃあ、桜木は西島の隣な…西島、悪いが今日1日テキスト類見せてやってくれ」

「はい、わかりました」

空いてる席、私の隣しかなかったから予想はできたけど…

「よろしく~」

その人は凄く素敵な笑顔を浮かべて私の隣に座った

「よろしく…」

私はクラス中の女子の鋭い視線を受けながら素っ気なく返事をした