カンカンカンカン___________


太陽が山の間から顔を出す頃。


もう聞くのも慣れた大きな音が聞こえ、私は起きた。


そして素早く布団をたたみ、制服を着る。


制服と言っても、スカートやブレザーなんかではない。


作業着とか特攻服によく似た、動きやすさを重視して作られた服だ。


支度を整え、駆け足で広間へ向かう。


グングンと周りの人を抜かし、1番で広間へ着いた。


「おはようございます、所長」


軽く頭を下げ、所長に挨拶をする。


「はいおはよう。今日も元気で何よりです」


所長は少しシワを作りながら優しく微笑んだ。


私は所定の位置につき、他の人の到着を待つ。


「おはようございます、所長!」


2番目にやってきたのは、私の1番の相棒であるサキだった。


「おはよう」


所長に挨拶をし、私の後ろに並ぶ。


「おはよう、ナギ。今日も1番乗りね」


「あぁ。サキこそ今日も2番乗りだな」


私は少し笑って言ってみせた。


後ろでクスッと笑った声が聞こえた。


「今度は私が1番になってやるんだから!」


「それは無理だな」