サキside


コンコンコン_______


「誰だい?」


「所長!私です!サキです!」


「そんなに慌ててどうしたんだね、お入り」


私は取り乱しながら所長室に入る。


「大変なんです!西の草原に、マッドネスウルフがいるんです!


それも、魔力が高いんです!」


「本当かい!?じゃあ今はどうなってるんだい?」


「それがっ…ナギが、1人で戦ってるんです!応援を呼んでくれと!


だから応援部隊を呼んでいただけませんか?」


「なんだって…!?ナギサが?


よし、今すぐ応援部隊を呼ぶ。私も向かうとしよう。サキは外に出て待っていなさい」


所長は立ち上がって放送用のマイクを掴んだ。


『応援部隊、応援部隊。至急外に集まりなさい。救護道具と馬を忘れないこと。


3分後に来なさい!』


所長の声には焦りが見えた。


「さぁ、行くよ!」


「は、はい!」


私は所長の後を追い、外へ向かう。


所長室のドアの前で待たせておいた3人は、私たちに気づくと無言でついてきた。