「「浮遊!」」


双子がそう叫ぶと、足元の草がスルスルと動き出した。


「うぉっ」


初めて切る光景に思わず飛び退く。


「ナギ、見て!」


慌てて体勢を立て直し、サキが指差す方向を見ると______


「はぁ!?」


そこには草が身体中に巻き付いた状態で宙に浮く魔物がいた。


それも数え切れないほどの数。


「おぉー!二人ともカッコええなぁ!」


呆然とその光景を見つめる私とは裏腹に、フィーレは目を輝かせていた。


「このままトドメさしちゃっていい!?」


ルイが首だけこちらに向けながら言った。


「あ、あぁ」


私は少し上の空になりながら答える。


「よぉーし、じゃ、いっくよ〜!」


ルイの声に、メイの顔が少し強張った。


「「滅!」」


その言葉と同時に、魔物を締め付ける草の力が強くなる。


一瞬にして魔物は空に消えた。


「すごいわね、2人の能力。これからの仕事にも使えそうだわ」


にこりと微笑みながらサキが言った。


「やんな!あたいもっと見てみたい!」


さらに目を輝かせるフィーレ。


「すごいでしょ〜!植物があれば、私たちは無敵なんだから!」


手を腰に当て、胸を張ってそう言うルイ。


メイはというと、その隣で恥ずかしそうに笑っていた。