石ころが転がっている道を、馬に揺られながら走る。
道端にはたんぽぽが咲いていて、風に綿毛を飛ばしている。
その風になりながら、私たちは疾風の如く駆け抜ける。
「天候が怪しいわね、ナギ」
サキが隣に並びながら言った。
「あぁ。私も今そう思っていた。
この雲行きだと数時間後に雨が降るだろうな、それもかなりの大雨だ。」
私は山の方からもくもくとふくらむ雲を見据えながら答えた。
「じゃあ尚更早く済ませなきゃね」
サキは困ったように笑い、スピードを上げた。
後ろの三人もそれに気づいたようで、手綱を振るいスピードを上げる。
私はすっと目を細め、前を見据えた。
『West grassy plain』と書いてある看板が見え、ほっと息をつく。
「ついたな」
看板の脇に馬をとめ、辺りを見渡す。



