「よし、みんな揃ったか」


「「うん!」」


私はみんなの返事を確認し、馬小屋から出た。


「よう、カイ。毎日ご苦労さん」


私は馬小屋の入り口でボーッとしていたカイに挨拶をした。


カイはモンバスを卒業して、ここで働くことを選んだ。


今は19歳だ。


風になびく金髪がとても印象的だ。


「お、ナギサじゃねぇか。
って、いつも言ってんだろ!?俺はお前より年上なの!敬語使え敬語!」


「なぁに、たったの1歳じゃねーか。
そんなにカリカリするな、ハゲるぞ」


私は馬に跨りながら、鼻で笑いそういった。


「カイさん、ナギには一生勝てませんよ」


サキが隣で馬に乗りながら言った。


「な、サキまで!
勝て…勝てるし…!勝ってやるし!


って、ていうか早く行けよ!俺はやることがあるんだ!」


カイは恥ずかしそうに顔を赤らめながら馬小屋の中に入っていった。


「ほんと面白いよな、アイツ」


「ほんとよね」


私たちは顔を見合わせて笑いながら、馬を走らせた。