オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww

ええ、ええ。

そりゃいい湯だったよ。

温泉みたいな効能が書かれてある、個人風呂は最高に気持ち良かったよ。


だけどもまだ、さっき謝れなかった自分に腹が立っている。

珍しく優しかったのにトゲで返すなんて最低だ。


明日の荷物を整理している途中に、鈴木くんから貰った私の肖像を掲げた。


「私はこんなに澄んでないよ。もっと汚くて、嘘つきだ」


鈴木くんまで裏切っているような気がして、悔しくなる。

鈴木くんだけは初めて出来た異性の良い友達だから、嘘をつきたくないのに。


抱き締めてから、目のつく場所に置いた。

よし、これからはこの私を目標にしよう。

微笑むだけで人を復活させそうな、スーパー人間に。


布団に飛び乗れば、ぼふん、と良い弾力が返ってきた。

ふかふかのベッドに柔らかい毛布。

寝心地が良さそうだけど、人の家となるとどうも寝れそうな気がしない。


ケントへの申し訳なさでいっぱいだし、明日からどうしようかとか、アリスが家に遊びに行きたいとか言ったらどう切り返そうとか考えただけでーー


「すやぁ」




いやぁ。

寝れた、寝れた。

寝れないかも?なんて思ってた昨日の私が見たら腹筋崩壊しそうな位に熟睡した。

中途覚醒もない素敵な眠りだった。

んー、と伸びをして居間(と呼ぶよりは広大なリビングって感じ)に行こうと扉を開けばーー、


「おはようございます。寝心地はいかがでしたか?」


昨日、やらかしたシェフさんが丁寧な笑顔で待ち構えてた。

ケントみたいな上部だけの笑顔で見られると、何か腹に抱えてるようにしか思えない。

何故この部屋の前で待っていたのだろう……。


“ヤバイ、昨日の報復される”


寝ぼけた頭で考え出した答えに従って、思わずシェフさんと距離を離してしまう。


「……良かったです」

「そうですか」

私が歩き出すと後ろをついてくる。

しかし、止まるとシェフさんも止まる。

だからと言って隣を歩くのでもなく、絶妙な距離を保つ。


「えっと、昨日のことでも怒ってるんですよね?すいません、あんなにも美味しいお料理を作ってくださったのに、ぶつけてしまって」

「はて」


なんのことやら、とシェフさんは首を傾げる。

え、ついてきたのって復讐したかったからじゃないの?


「私はお坊っちゃまの命で動いているだけにすぎません。どうぞ空気のように扱ってくださいまし」

「え、ああ。はい」