鈴木くんはチロリと私を見ると、穏やかに笑った。
「さっきまでお腹痛いって言ってたので、元気になって良かったです」
ぐ、っぐう。
ごめんなさい、そんな澄んだ目で見ないでください。
心底安心した、みたいな表情をされると仮病を使った自分がどれほど愚かなのか自覚して、心苦しい。
「む。今日も部活に励んでいるのか。感心するぞ」
「あ、部長。お疲れ様です」
ガラリと戸を開けて入ってきたのは、部長さんだ。
ロリータ服だったのは初対面だけで、以外は学校指定の制服に身を包んでいる。
この姿で会うのは、既に両手で数えきれないのだけど、いまだ男装にしか見えないのが不思議だ。
「今日は用があって早く帰らねばならないから、施錠を任せたいのだが。それとも、すぐに帰るか?」
「ああ、私は家で考えたいから帰りますよ。鈴木くんも帰るでしょ?」
アリスは、乱暴に鈴木くんの背中を叩いた。
鈴木くんは慣れっこなのか、苦笑しながらアリスを見上げるだけで「そうですね」と返した。
「わ、私も帰ります」
片付けを始める二人の後を追うようにして、荷物をまとめる。
「そうか。悪いな」
アリスは「そんな事ないですってば」と笑うと、恥ずかしそうに髪の毛で顔を隠した。
アリスは部長さんの前だけでは、鈴木くんに見せる強気な態度を取っ払って、しおらしくなる。
どうしてだろうか、まだ分からない。
「では、また明日」
「じゃあねー、ルル。鈴木くん」
校門を出てすぐの交差点を左に曲がる部長さんとアリスに手を振ってから、私は右に曲がった。
鈴木くんも同じく、右に曲がる。
「鈴木くんの家、こっちなんですね」
「えっと、……まあ。はい」
鈴木くんはまだ私と話すのが、ぎこちない。
大分、打ち解けたと思ってるのは私だけなのだろうか?
もうすぐ夏とは言え、夜の八時ともなると空は暗くなっている。
いつもは一人、不安になりながら帰るこの道も、鈴木くんと一緒だと思うと安心できた。
鈴木くんは作業高率が良くていつも私よりも早く帰るから、同じ方向だなんて知らなかった。
「……あの」
「さっきまでお腹痛いって言ってたので、元気になって良かったです」
ぐ、っぐう。
ごめんなさい、そんな澄んだ目で見ないでください。
心底安心した、みたいな表情をされると仮病を使った自分がどれほど愚かなのか自覚して、心苦しい。
「む。今日も部活に励んでいるのか。感心するぞ」
「あ、部長。お疲れ様です」
ガラリと戸を開けて入ってきたのは、部長さんだ。
ロリータ服だったのは初対面だけで、以外は学校指定の制服に身を包んでいる。
この姿で会うのは、既に両手で数えきれないのだけど、いまだ男装にしか見えないのが不思議だ。
「今日は用があって早く帰らねばならないから、施錠を任せたいのだが。それとも、すぐに帰るか?」
「ああ、私は家で考えたいから帰りますよ。鈴木くんも帰るでしょ?」
アリスは、乱暴に鈴木くんの背中を叩いた。
鈴木くんは慣れっこなのか、苦笑しながらアリスを見上げるだけで「そうですね」と返した。
「わ、私も帰ります」
片付けを始める二人の後を追うようにして、荷物をまとめる。
「そうか。悪いな」
アリスは「そんな事ないですってば」と笑うと、恥ずかしそうに髪の毛で顔を隠した。
アリスは部長さんの前だけでは、鈴木くんに見せる強気な態度を取っ払って、しおらしくなる。
どうしてだろうか、まだ分からない。
「では、また明日」
「じゃあねー、ルル。鈴木くん」
校門を出てすぐの交差点を左に曲がる部長さんとアリスに手を振ってから、私は右に曲がった。
鈴木くんも同じく、右に曲がる。
「鈴木くんの家、こっちなんですね」
「えっと、……まあ。はい」
鈴木くんはまだ私と話すのが、ぎこちない。
大分、打ち解けたと思ってるのは私だけなのだろうか?
もうすぐ夏とは言え、夜の八時ともなると空は暗くなっている。
いつもは一人、不安になりながら帰るこの道も、鈴木くんと一緒だと思うと安心できた。
鈴木くんは作業高率が良くていつも私よりも早く帰るから、同じ方向だなんて知らなかった。
「……あの」

