オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww

急いで自分の教室に戻る為に走る。

放課後だというのに、人が多いのは学校祭だからだろう。

部室に入り浸りで忘れていたけど、改めて現実を突きつけられた気分で吐き気がする。


「星野ルル」


廊下に響かない程度の声量で、私の名前を呼ぶ声が聞こえて振り向いた……けど、見たくない人が見えたので無視しよう。

「そのまま歩くな、阿呆」

返事なんてしてやるもんか。

大体、私はケントと絶交しているんだから、会話なんてしちゃいけない。

「…………」

「おい、お前は俺の下僕だろ」

……くそう。

「下僕がご主人様の命を裏切ったらどうなるんだろうな。あー、こないだの手紙の内容を他人に言いたくなるかもなー」

……くそう!くそう!!


これ以上は無視できないと、振り返ると思ったよりも側にいて驚いた。

「ア、アンタの方が阿呆だ。学校なんて人が多い所で話しかけてどうする」

「バレないようにお前に聞こえる程度の声でしか話してねぇよ。つーか俺を見るな。他の奴等に勘づかれるだろ」

話しかけておいてワガママな奴だ。

しかし、何でケントは必要もないリスクを背負って、人がいる廊下で話しかけてきたんだ。


「……何だ」

「何がだよ」

「アンタが言ったんじゃないか。学校では話しかけるなってさ」


あくまで、私の一人言に見られる様に歩きながら、話していく。

ケントもそれを承知してか、適度な他人の距離を保ちながらついてくる。


「……かよ」

「は?」

「だから、大丈夫かって言ってんだよ」

つい、他人のフリを忘れて、ケントの顔を凝視してしまった。

私に視線を合わせる事はなく、俯いて隠れている頬が若干赤らんでいる。


「えっと、それは私の台詞だけど。アンタの顔、赤いけど大丈夫なの?」

「見るんじゃねぇよ」

軽く肩を叩かれて、渋々視線を目的地に戻した。


わざわざすぐにでも言わないといけない程、私が大丈夫じゃない様にでも見えたのだろうか。

こんなにも元気だというのに、失礼極まりない。


そりゃさっきは、ケントと話す義務がかせられる可能性を考えてはお腹が痛くなってきたけどさあ。


「……って、もしかして。さっきの腹痛の事を言ってるの?」


まさか、そんな筈ない。

だってケントは私の仮病を分かった上で、保健室へ行かせなかったんだから。


「……以外、ねぇだろ」