オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww

入ってしまった以上、逃げる事は出来ず、鈴木くんに押される形で視聴覚室に来た。

というか連れてこられた。

鈴木くんは根本から真面目だから、嫌なことから逃げるという選択肢がないらしい。


仕方がなく、逃げるのは諦めて窓側の席に座った。

これで少しは他人から離れられるだろう。

隣には鈴木くんがいるし……うん、怖くない。


暫くすると、ケントが視聴覚室に入ってきた。

それだけなのに、一部からはきゃあっと黄色い声が上がる。

アリスによるとどうやらケント目当てで入った人がいるらしい。

それなら、私のクラスにもいて欲しかったものだ。


教壇に立つケントが、何やら話しているのを右から左へ流しながら顔だけ黒板に向ける。

相変わらず憎らしい程、整った顔立ちだ。


絶交する前も今も、直視する機会なんてなかったからこそ、改めて気付いた。

そんな人が兄だなんて、他の子なら喜ぶのだろう。


けど、私は喜ばないね。

意味が分からなくて、私を他人というアイツなんて、兄どころか知り合いにもなりたくない。


「翌週より、文化委員も放課後活動を行います。一年生は体育館の装飾を。二、三年生はーー」


はあ。さっさと終わらないだろうか。

私はこんな所で、油を売っている暇はない。

すぐに部室に帰って、書きかけのイラストを完成させてしまいたいんだ。


別に皆は装飾なんて見ていないだろうし、力を入れる必要なんてないんだから。


「ーー以上で、説明を終わります。何か質問はありますか?」

トンと、資料をまとめる音で、現実に戻った。

やっと説明が終わったのか、と軽く腕を伸ばしたらバキバキと関節がなった。

「特にないようですので、これで終了します。最後に、二階教室の担当者は残っていて下さい」

ケントは冷淡な瞳で、私を見据えると言った。


えっと、話を聞いてなかったけど、まさか、私が担当者とかない……よね?