オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww

えっと、今のは何だったのだ?

悲しい顔した部長さんが、駅前の新作ケーキでころっと元気になるって……

もう、完璧女子じゃないか。


「気にしなくて良いですよ。部長は月1ペースでああですから」

鈴木くんは堪える必要のなくなった笑いを存分に振り撒いている。

いつも、顔を合わせてくれなかったり、笑わなかったりで気付かなかったけど、八重歯だったんだ。


笑うと覗く八重歯が、無邪気な感じになる。


「部長の落ち込んだ時の解決法は、スイーツかコスプレかどちらかなんですよ」


鈴木くんは笑顔のまま、私を見た。

昨日は常に目を反らされていた分、目が合った時の喜びは大きかった。


なんかもう、これ。

攻略難易度が高いキャラをデートに誘えた時並、……いやそれ以上嬉しい。


「笑顔、良いですね」

思わず、本音が口を滑らせてしまった。

鈴木くんは、はて、と首を傾げると、自身の口角に触れた。
当然、緩んで弧を描いていることに気付く訳で。


「……!!!???」


目をこぼれ落ちんばかりに開くと、慌てて顔を手で覆った。

そんな事しても、手の隙間から赤い頬が覗いているのだけど、あえて言わない方が良いのだろうか。


「えっと、ごめんなさい。……急に気持ち悪い事を言ってしまって」


私と話す時の鈴木くんは変だ。

コミュ障で、会話が嫌いな私でも分かる。


アリスとも部長さんとも普通に話すのに、私にだけは目を合わせてくれない。会話をすぐに終わらせようとする。


私だけ。

やっぱり、鈴木くんは私を嫌いなのだろう。

昨日、似顔絵をくれたのは「これで満足しただろ?もう来ないでくれ」という合図だったのだ。


「……ごめんなさい。帰ります」

「えっ!?ちょ、ちょっと待ってくださいっ」

腕を強く引かれ、鈴木くんの胸に頭が当たった。

なにこの至近距離。もしかして、殴られる?


「……星野さんは僕を嫌いですか?」


殴られ、なかった。

「私の事を嫌いなのは、鈴木くんの方ですよね」