「……乙女ゲームの何が不服なんだ」
じんわり痛みが広がる額を撫でながら、ふくれた。
乙女ゲームは良いものだ。
キュンキュン出来るし、充実出来る。
リアルでの会話が怖くても、ゲームならどんなビッチにでもなれちてしまう。
ケントが知らないだけで面白くて、深いんだ。
「分かってるだろうけど、学校では名前で呼ぶなよ。関係がないお前が名前で呼ぶなんて不自然だ」
「言われなくても分かってる」
「素直にはいと言えねーのかよ」
「そう安い女じゃないですからね」
ふいっとそっぽを向いて、布団にダイブした。
どんな時でも優しいユウヒ様は、痛い素振りも見せずに笑っていた。
「あー、ユウヒ様ぁー」
黒髪眼鏡にオッドアイの彼は、とある国の王子様。
切れ長の瞳に、整った顔立ちは美しいのに何故か人気がない。
“花咲く、プリンス物語”のいわゆるモブキャラだ。
上に三人の兄がいて、虐げられているのに、彼はどんな時でも強い笑顔を見せた。
私は、そんな彼の心の良さに引かれた。
もしも現実にこんな人が現れたら好きになってしまうかもしれない……
けど、現実になんていないから、私はゲームをするんだ。
ヘッドホンを装着し、音楽をかけた。
ユウヒ様のキャラクターソングもとい、キャラソンを。
彼が兄達に虐められ、冷たい環境で心折れそうになった時に歌った、自分の応援ソング。
私は心が乱れた時はコレを聞くと決めていた。
高くも低くもない、中性的なユウヒ様の声が響く。
じんわり痛みが広がる額を撫でながら、ふくれた。
乙女ゲームは良いものだ。
キュンキュン出来るし、充実出来る。
リアルでの会話が怖くても、ゲームならどんなビッチにでもなれちてしまう。
ケントが知らないだけで面白くて、深いんだ。
「分かってるだろうけど、学校では名前で呼ぶなよ。関係がないお前が名前で呼ぶなんて不自然だ」
「言われなくても分かってる」
「素直にはいと言えねーのかよ」
「そう安い女じゃないですからね」
ふいっとそっぽを向いて、布団にダイブした。
どんな時でも優しいユウヒ様は、痛い素振りも見せずに笑っていた。
「あー、ユウヒ様ぁー」
黒髪眼鏡にオッドアイの彼は、とある国の王子様。
切れ長の瞳に、整った顔立ちは美しいのに何故か人気がない。
“花咲く、プリンス物語”のいわゆるモブキャラだ。
上に三人の兄がいて、虐げられているのに、彼はどんな時でも強い笑顔を見せた。
私は、そんな彼の心の良さに引かれた。
もしも現実にこんな人が現れたら好きになってしまうかもしれない……
けど、現実になんていないから、私はゲームをするんだ。
ヘッドホンを装着し、音楽をかけた。
ユウヒ様のキャラクターソングもとい、キャラソンを。
彼が兄達に虐められ、冷たい環境で心折れそうになった時に歌った、自分の応援ソング。
私は心が乱れた時はコレを聞くと決めていた。
高くも低くもない、中性的なユウヒ様の声が響く。

