新side.
「ふぁ〜… 朝か」
ふと、目が覚めると
時計は6時に針を指していた。
「今日 会えるかな。千春。」
そんな言葉を誰もいない部屋に
落としてみた。
俺は一人暮らしで
親は離婚してる。
だから、一人で生きてきた
親の元なんて嫌だからね
「さ、 学校行こうかな」
手早く制服に着替えて
いつもの通学路を歩く。
??? 「あーらーた!おはよー!」
新「早紀。」
新山 早紀 (ニイヤマ サキ) 新の幼馴染み
早紀「なんかいいことあった?」
新「なんで?」
早紀「なんだか楽しそうな顔だから」
新「そんなことないよ。」
うそ、ほんとは千春のことで
なんだか頭いっぱい。
これがなんなのかは良く分からない
愛情なんて受けたことないから。
告白もそこそこされるし
モテてるってわかってる
でも恋とか愛とか良くわかんないし
別に知りたくもない。
ガラガラ…
教室のドアをあけると
いつもの光景だ。
「新く〜ん 今日あそんで〜」
「なにゆってんの?!あたしとよ!」
「新君、お昼一緒にたべよ!!」
女達が群がってくる。
正直邪魔で仕方ない。
「ねえ うるさいんだけど。」
俺はそう吐きすてる
「キャーーーー!!!!」
「クールな新くんも素敵!!!!」
ああ、うるさい
うるさい女は嫌い
もーいい 出よ。
早紀「新、出る?」
新「うん、後任せた」
早紀「おっけー」
早紀は俺に媚びたりしない
サッパリした性格でなんでも
ストレートだから一緒にいて楽。
「はあ…」
屋上について腰掛ける
久々にきたな…
入ると誰かが歌っていた
「〜♪♪」
聞き覚えのある声
なんでいるんだよ、千春。
新「千春。」
千春「〜♪♪…え!?!? 間宮先輩?」
新「うん。なにしてるの。」
千春「今日天気良くて、歌ってました!」
新「授業は。」
千春「あっ…」
こいつ、本気で忘れてたの?
天然?ただのバカ?
なんかかわいんだけど…
新「一緒にサボる?」
千春「えっ…いいんですか?」
新「いいよ、それと
新って呼んでって言ったよね」
千春「え、あ、それは。
恥ずかしくて。」
なにこの生き物。むり。可愛い。
恥ずかしくて、とかよく素直に言えるな
こんなの初めてかもしれない。
愛しい、と思った。
キーンコーンカーンコーン…
特にたくさん話したわけぢゃないけど
いつの間にか1時間たってしまって…
千春「間宮先輩!私戻りますね!」
新「おう。」
小さい体に白い肌
茶色のふわふわな髪の毛。
「あ〜 これ好きってやつ?」
早紀「誰のことを〜?」
ふいに言葉にしていたのを
早紀に聞かれたみたいで。
早紀「もしかしてさっきの女の子?」
新「聞いてたの。」
早紀「うん、聞こえた」
新「悪い奴。」
早紀「新が悪い(笑)」
くそ、こいつにだけは
聞かれたくなかった
やらかしたな〜
早紀「ねえ 新」
新「なに。」
早紀「早紀ね、新が好きだよ」
…は?
今なんて?
新「今なんてゆった。」
早紀「だから!新がすき。」
新「ごめん。」
俺は…多分、千春がすき。
早紀「わーかってるってば。
さっきの子新の好きな子だ?
新「うん、多分そう。一目惚れ。」
早紀「そっか…頑張りなよ。」
ありがと。
そう心の中でつぶやいた
早紀「先戻るね、」
早紀は少し震えていた
ように見えた
あ〜 だめだ。
俺、千春すき。
早く伝えてぇな。
