屋上から教室に戻るまでの気だるさはハンパなかった。

何であんなに千波がわくわくしながら階段を駆け下りるのか理解出来んかった。

「ほら!はよ!置いてくで!!」

先に降りた千波が手を上下にヒラヒラさせながら急かしてくる。

「ええよええよ。出来る事なら置いていって欲しいくらいやねんけど。」

「あーほ!ほらもう!行くで!」

千波が私の腕を勢いよく引いて連れて行く。

「分かった!分かった!分かったからもう走んなよ。走らんくても先公は逃げへんやろ。」

教室の階に着き私はまた気怠そうに歩く。

「千波、何でそんなわくわくしてんの?理解出来やんわ。毎回同じことやろ?期待すんのはやめぇや。」

ブツブツ言いながら教室前に着いた。

「だって、今度こそはって期待したいやん!」

そう笑顔を振り向けた後、千波は教室のドアを開けた。