「幼馴染みの顔忘れるとか、どんだけアホなの」
幼馴染み、か。
この場合、“幼馴染み”というよりは、“昔よく遊んでた子”と表現した方が正解な気もする。
「てゆーか、逆になんであんたは私の事覚えてるわけ?」
「はぁ。そのマヌケな頭、一回洗っといた方がいいよ」
「なっ‼︎はぁあ⁉︎」
「チヨ、なんで俺がここにいるか分かってる?」
「知らんわっ‼︎」
「はぁ」
シュンはまたため息をついた。
ため息つきたいのはこっちだっつの‼︎
「俺、引っ越したんだよ、ココに。まあ、正確にはお前の家の隣な」
「はぁぁぁあ⁉︎な、なにそれ⁉︎初耳なんだけど⁉︎」
「うるさい黙って」
シュンは冷たくそう言うと続けて話した。
「てか、俺ら同じ学校だけど。今日、入学式の時に会ったけど。しかも、同じクラスでもあるんだけど」
「えぇぇええ⁉︎な、なんじゃそれ⁉︎」
そんな展開があるかっ!と自分の中でツッコミを入れてしまった。
「全然気付いてなかったよな。そんな俺、変わった?」
そう言って、シュンは無表情のまま私の顔を覗き込んできた。
変わりました。変わりましたとも‼︎

