「で、どーだったの?遊園地」
モンちゃんは焼きそばパンを食べながら聞いてきた。
今日は久しぶりにモンちゃんと2人で、あんまり人のいない中庭でお昼を食べている。
「どーだったのって…。普通に楽しかったかな」
実はナンパされたんだけど、相手に逆に逃げられたなんて恥ずかしくて言える訳がない。
「そんだけぇ?片山とはなんにもなかったの?」
「シュン?あぁ、なんか戻りつつあると思う!昔みたいに仲良くなってる気がする!」
私がへへっと笑いながら言うと、モンちゃんは呆れたようにため息をついた。
「なにそれ。つまんない!も〜、最近すごい仲良いからてっきり遊園地行った後、恋人になって帰って来ると思ったら」
「こ、恋人⁉︎なんじゃそら!」
「私から見たら今も普通にカレカノみたいだけど?」
「え⁉︎それはないっ!マジない!」
「そーお?私はてっきり千代華は片山の事が好きだと思ってた」
「はぁぁぁああ⁉︎」
私がシュンの事を好きぃい⁉︎
そ、それは恋愛的な意味で⁉︎
な、ないだろ。あんなサディスト。
「いや、まあ、好きだけど」
「違う!likeじゃなくてloveで!」
やっぱそっちか‼︎
「な、ないでしょ」
「なんで?」
モンちゃんは私の目をじーっと見つめながら問い詰めてくる。
「な、なんでって、そーゆーの考えた事ないし…」
「じゃあ考えればいーじゃんか」
「…?」
考える?いや、考えても変わらんと思うけど…。
てゆーか、そこまでしてシュンの事を好きにさせたいんだろうか…。
「片山って、千代華の前ではめっちゃ笑うよね」
「やっぱ⁉︎やっぱ私だけだよね⁉︎」
「ほら、そーゆー所」
「………へ?」
間抜けな声を出してしまった私を気にもせず、モンちゃんは私に指差して言った。
「千代華は片山が自分にだけ笑ってくれるのが嬉しいんでしょ⁇そうであってほしいって思うんでしょ⁇」
「お前はエスパーかっ‼︎」
「片山の笑った顔がかっこいいって思うんでしょ⁇自分だけのものにしたいって思うんでしょ⁇」
「ゔっ」
間違ってない!てか大当たりだ!
でも、私ってそんな恥ずかしい事思ってるの⁉︎
なんかキモい!自分がキモい!
「もう好きって認めろや」
「そんだけで好きなの⁇」
納得出来ない私はモンちゃんにそう聞いてみた。
「じゃあ聞くけど、今片山に彼女ができたらどー思うの」
「えー、そんなのできてみないと分かんないッス」
シュンに彼女…。
もしかしたら今いる可能性だって十分ある。だって、シュンは私に自分の話を基本的にしない。
中学の時の事は全く知らない訳で…。
その時もし彼女ができて、今も続いてるって事も、ありそうな話だ。
でもそれって、なんか、モヤっとする。
これは、恋、なのかな?
なんか違うような気もするけど…。
「うーん、モンちゃん。とりあえず今はよく分からないよ、好きとか」