「ちょっと俺、便所行ってくる」
「いってらっしゃーい」
トイレの近くのベンチで1人座って待っていると、大学生くらいの男2人が隣に座ってきた。
「ねえねえっ、今1人??」
「俺たち男だけでつまんなくてさ〜、よかったら一緒に遊ばない??」
「……っ‼︎‼︎」
こ、これって!
ナンパですよね⁉︎
「ぐっ!私にもとうとうこの日がっ」
「え?何コイツ…」
ほら見たかっ!私だって大学生の兄ちゃんたちにナンパされるくらいの可愛さ持ってんだよ‼︎
後でシュンに言ってやろ!
私は大学生2人の事も気にせず1人大きくガッツポーズを決めていた。
「…な、なんだコイツ。…まあ、きみ可愛いしさ、ねっ。俺たちと遊ぼ?」
「うんうんっ、超可愛いよ」
「可愛い⁉︎」
「うん!めっちゃ!」
可愛い、だと⁉︎
やっぱ私ってモテるんじゃね?
学校の男子の目が節穴なだけでホントはめちゃくちゃモテるんじゃね?
「ぐへっ、可愛いだなんてそんな〜」
「「………」」
「あはは〜、ぐっ、へへっ」
「(笑い方キモっ‼︎)」
「(え、なんでニヤけてんだよ…)」
私の笑い方とニヤけ顏に2人がドン引きしている事にも気付かず、私は1人で良い気になっていた。
「あっ、ごめん。俺たちやっぱ用事出来たわ!」
「うん!じゃ、また!」
「えっ!ちょ、ちょっと!お兄さん!」
「アイツやべえな」←小声
「お、おう」
えーーっ!な、なんで⁉︎
ナンパじゃないの⁉︎
もっとグイグイおしてくるもんじゃないわけ⁉︎
「ナンパされたのに逆に逃げられるとか…。やっぱチヨって面白いね」
そんな声が聞こえて後ろを振り向くと、シュンが肩を震わせて笑をこらえていた。
う、ウザい‼︎
てかお前そんなに笑えるんか‼︎
「に、逃げられた訳じゃありません!」
「じゃあなに」
「私の可愛さが眩しすぎて耐えられなくなったんでしょっ」
なんだこのナルシスト台詞…。
おえっ。
「はぁ。笑った笑った〜」
そんな私の言葉も気にぜず笑い終えたシュンが私の隣に座った。
むかつく!なんかすごいむかつく!
「でもこれで分かったでしょ?私がモテない訳じゃないって‼︎」

