泣きそうになるのを必死にこらえて、目の前にいるシュンをチラッと見たら、少しだけ笑っていた。
いや、笑っていたというより…。
なんか、喜んでるような。
なんか、ものすんごく悪魔の笑みみたくなっとる‼︎
こ、こわっ‼︎
あんなサディストいます⁉︎
「これでも優しく言ったつもり」
や、やっぱ笑ってる!
コイツめっちゃSだ‼︎
シュンが物凄いサディストだという事がわかって何十分かして、昼休みも終わってしまって、気がつけば放課後になっていた。
「はぁあ〜。なんか高校ってやっぱ違うな!」
「わかるーっ!なんかあたしめっちゃイケてない⁉︎JKだよJK!うひょー‼︎」
「…全然かわい気がねー」
「あぁ?」
「なんでもないっす」
そんなモンちゃんと森岡のいつもの会話を聞きながら、“高校”という響きがやけに新鮮に感じた。
そっか、私、高校生なんだ。
チラッと斜め前にいるシュンを見る。
背が私よりもずっと大きくて、髪の毛もなんかボリューミーになった気がするし、顔もなんか格好良くなった気がする。
……てゆーか、こうやって見たらシュンって、結構かっこよくない⁉︎
い、いやいやいや!
私から見たらやっぱ昔のままのシュンで見てしまう。
「なに」
「は」
目が合ってしまった。
相変わらずシュンは無表情だ。
全く…。本当にその瞳で見られると、体が動かなくなる。
何を考えてるの?私の事嫌いなの?
聞きたい。聞ける訳ないけど。

