雪の夜





「少し座れ」

男性は少女を無理矢理ベッドに座らせると、隣に自分も腰を下ろした。



「お前、名は?」


男性の瞳は、少女が今まであった誰よりも

眩しかった。




「シズク」



だから、言ってしまったのだ。



忌々しい、この名を。

二度と口にすることは無いと誓ったはずなのに。