「無理だよ……私にケイは殺せない」 精一杯頭から絞り出した言葉は、それしか出てこなかった。 蚊の泣くような声で呟く。 「シズク?冗談だよ、どうした?」 「私はもう、誰も」 目から水滴がポタポタと落ちた。 そのあとに続く言葉を言いかけて、 ぐっと飲み込む。 私が言っていいような言葉じゃない 私はもう底無し沼に沈みすぎた 「どうしたんだよ?シズク?」 「何でもない、ごめん」