整髪料の香りが微かに鼻を掠めた。 「お前はその飲食店で今も働いているのか?」 「んー、多分ね。 そこでしか働けないから」 「どうしてそんなところで…」 あなたは私の目を見つめる。 「そこの店長に拾われたから」 「拾われた?」 「うん。私捨てられてたの。 私が倒れていたゴミの山と同じようなところで。まだ赤ん坊だったから記憶は無いけど」 あなたは驚いた顔をしていたね でも、あなたが世間を知らなさすぎなんだよ 温かい世界とは違う、 冷たい氷のような世界を知らないでしょう?