「何を見たの?」
「んー?シズクが不安そうに俺のそばに立ってた」
「私が?」
「うん。で、なんか聞いたはずなんだけど忘れた」
あなたは頭をコンコンとグーで叩いて
思い出そうとしてたけど、結局思い出さなかった。
あの時ね、
眠れないのか?って聞いたんだよ
手を差し出してくれたんだよ
その手を思わずとってしまいそうになったの
私を救ってほしかった
すがりついてしまいたかった
「ええー、残念。
なんて言ったのか知りたかった。
また思い出したら言ってね」
私がそう言うと、彼は私を少しだけ見つめて
「また思い出したらな」
と言った。

