「そんな睨むなよ」 男性は苦笑いしながら、頭をぽりぽりと掻いた。 「びっくりしたよ。ゴミの山に埋もれてぴくりとも動かないんだから」 あぁ、あそこから生き延びたんだ あの雪の冷たさが鮮やかに蘇る 「俺は怪しいもんじゃないよ」 そう言った、男性の瞳をジッと見つめる 切れ長の目は身動ぎもしない 「助けてくれたんでしょう」 急に声を出したのが驚いたのか、 男性の瞳が少しだけ揺れた気がした。