雪の夜




「え!一緒に入るの!?」



「当たり前だろ、お前片方を骨折して
もう片方を包帯ぐるぐるの怪我で
どうやって頭を洗うんだよ」




「そ、それはそうだけど」





「安心しろ、別に俺と本当に入るわけじゃない」



あまりに戸惑った私の顔を見て、あなたは苦笑いをした。





「頭と背中を洗うだけだ。
さすがに前はどうにか洗えるだろ?」



「洗えるよ!」



私は服を脱ぐと、バスタオルを巻いた。




「ケイ?入っていいよ」



お風呂場から呼ぶと、あなたがサングラスをして入ってきた。



「なにそれ?」



「お前があんまり恥ずかしがるから、俺なりの対策」



私があんまり笑うから、あなたは怒って、外すぞ!って脅してきたよね。






「かゆいとこない?」



「大丈夫」



頭をわしゃわしゃと洗ってくれるあなたは
時々私の顔を覗きこんで聞いてくれた。





「ケイ、目に泡が入ったー」



「あ!悪い!」


あなたはシャンプーが下手だったよね。

何度も泡が目に入った。



だけど、不器用なりに丁寧にしてくれてたのは私にでもわかったの。